長いか短いか?思わず「たられば」を言いたくなる、サッカーの試合時間

2017年9月5日

長いか短いか?思わず「たられば」を言いたくなる、サッカーの試合時間

今やサッカー人気はすっかり日本にも定着して、全国にはますますサッカーチームが増えていて、JリーグもJ1、J2、J3(JFL)の入れ替えなどで選手の層も厚みを増しています。

どのようなサッカーの試合でも、審判が笛をピーーーッと長く吹くと、試合は終わります。これは審判が独断で決めていることではなく、サッカー規則で試合時間が決められていて、審判はそれにのっとって試合時間が終わったことを告げているわけです。

この瞬間に、勝敗あるいは引き分けが決まるわけですが、「もうちょっと試合時間が長ければ、どうなったか分からない」という試合が数多くあります。

ここでは、ロスタイムあるいは延長戦で多くの伝説や悲喜こもごもを生み出してきた、サッカーの試合時間について、おさらいと知っておきたい知識をご紹介しましょう。

サッカーの基本的な試合時間をおさらい

すでに人気が定着しているので、サッカーの試合時間については詳しくご存知の方も多いと思います。ここで簡単におさらいをしておくと、サッカー規則により定められた試合時間とは、以下の通りです。

・プレイ時間:前半・後半、それぞれ45分で、トータルでは90分、すなわち1時間半
・ハーフタイム:前半と後半との間に設けられた時間で、基本的には15分以内での休憩時間
・ロスタイム:試合中にプレイ以外で空費された時間のことで、この時間は、前半・後半ともに、45分の試合時間に加算する

少し補足しておくと、ロスタイムにカウントされる時間は、選手の交代に要した時間、選手の負傷の程度を審判が判断するのに要した時間、負傷者のピッチ外への搬出に要した時間、その他のプレイ以外に費やされた時間です。

面白いのは、これらの時間の長さは主審の判断に一任されていることです。この「一任」がこれまでにさまざまなドラマを生み出してきたことは、後で詳しく述べたいと思います。

ペナルティーキックについての試合時間規定もあります。試合が規定の時間内に決着がつかない場合におこなわれる、いわゆるPK戦は、勝敗が決まるまでの時間が試合時間に追加されることとされています。

なぜサッカーの試合は90分なのか?

そもそも、サッカーの試合時間はなぜ90分なのか?この素朴な疑問を解決するために、試合時間のルールが決められた経緯について解説します。

これはとても古い話ですが、サッカーの試合時間に関する統一規則がつくられるまでの試合時間は、それぞれの地域がつくったルールで決められていました。しかし、それでは他地域のチームと対戦する時に不公平だと言うことで、統一したルールをつくろうということになり、ケンブリッジ大学が決めたルール(ケンブリッジ・ルール)に従おうという動きが見られました。

イングランドサッカー協会が設立され、サッカーのルールがいろいろと決められた中でも競技時間については明確な規定はありませんでした。

その後、1866年、FA代表対シェフィールド代表の試合が行われた際に、競技は午後3時に開始して午後4時半に終ると定められ、これが「90分」の原点になりましたが、そこにはまだ、ハーフタイムは含まれていません。

さらに、1871年にFAカップの規則で、競技時間を1時間半とすること、ハーフタイムの休憩は審判によって特に許された場合以外は、5分以内とすると定められました。ここに来てようやく90分とハーフタイムという現代サッカーの規定が登場したのです。

さらに時は流れて、1897年に競技時間は基本的には90分とすること、ハーフタイムの休憩は審判の承認がある場合を除き5分以内とすることが明確に規定されました。さらにその後のルール改正でハーフタイムは15分以内とすると決められ、それが現在に至っています。

試合時間の規定が生んだサッカー国際試合のドラマ

サッカーの試合時間はルールで規定されていますが、レフェリー(主審)によって時間に関する判断が微妙に異なるのが実際です。試合中、主審は手持ちの時計を常にチェックしていますが、特にロスタイムに関する判断は正直なところ少し曖昧だと言えそうです。

その典型的な例が、2012年6月におこなわれたFIFAのW杯ブラジル大会アジア最終予選で見られました。ご存知の方も多いと思いますが、日本VSオーストラリア戦で起きた主審の不可解な判定です。

この試合はサポーターが手に汗を握る1:1の展開で、後半のロスタイムに日本代表のMF本田圭佑選手がフリーキックを蹴る直前に試合終了の笛が吹かれたことで、このシーンを記憶されている方も多いと思います。ピッチの時計は、後半ロスタイムの48分を過ぎていました。

相手のファールで絶好の位置からのフリーキックを獲得し、ロスタイムの目安である3分は過ぎていましたが、プレイは続行中で、本田選手が慎重にボールをセットして、キックの助走をつけようとした瞬間、突然レフェリーの笛の音が吹かれて試合は終了してしまったのです。サッカーに「たられば」はありませんが、この本田選手のキック次第で1;1が2:1になったかも知れないのです。

当然、本田選手は両手を広げてアピールしましたが認められず、後味の悪いドローの結末になったのです。このシーンについては、実はレフェリーに裏の事情があったのではないかという憶測も飛び出しましたが、ルール上は問題がなく試合時間に関する厳しさを思い知らされた例だと言えます。

番外編:サッカーの試合時間のギネス記録

サッカーの試合は国内リーグや、対外試合、国際試合などさまざまで、これらの試合時間は、それぞれの競技規定で定められています。

ここでご紹介するのは規定によって定められた試合時間ではなく、もし試合時間に関するルールがなければ、一体どれくらい続けてプレイできるのかということに挑戦した奇妙なサッカー試合に関する話題です。

場所はイギリスで、リーズ・バッジーズとワーウィック・ウルブズというチームが対戦しましたが、午前11時にキックオフされた試合が終了したのは、その2日後の午後8時でした。

この間の試合時間は、何と57時間!

当然、サッカーの最長試合時間としてギネスに公認されましたが、この種の記録は、36時間、42時間5分という従来の試合時間があったのですがそれを大幅に更新しました。

この試合のルールは、それぞれ18人の選手でプレイは1時間ごとに5分の休憩時間が設けられ、体力と気力が続く限りプレイを続行するというものです。こうなると点数がどうのこうのは二の次で点の取り合いという試合展開になりました。試合結果は425:354で、リーズ・バッジーズの勝利に終わったそうです。

この試合における選手交代に関してのルールは不明ですが、おそらく終わりの頃は選手の動きが鈍くなり、ボールが転がればゴールというような試合だったと思います。

そのうちに、このギネス記録に挑戦するチームが現れるかも知れませんが、その場合選手の休憩や交代に関するルール次第ですが、レフェリーストップならぬ、ドクターストップが必要になる修羅場になってしまいそうです。

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